2021-08-30 update

「秋の気配」利尻礼文サロベツ国立公園だより 9月 Vol.9

朝晩冷え込むようになり、植物も少しずつ色づき始めてきました。蝶が舞い、緑に映えていた色とりどりの花々も、赤い実や紫色の花など、深く落ち着いた彩りに変化しています。うだるような猛暑の中で聞こえていたエゾゼミの大合唱が、今では草むらの虫の音に代わり、水辺ではトンボが飛び交っている姿に、秋の気配を感じます。


利尻島 「静寂」

この秋、利尻礼文サロベツ国立公園に新たに加わる利尻島南部にある“南浜湿原”をご紹介します。ミズゴケが発達した島最大の高層湿原で、手つかずの自然とたくさんの人に守られている数多の高山植物をじっくりと楽しめるスポットです。
観光バスが停車できず、観光客が少ないのがポイント。湿原内は全長約1kmの遊歩道が整備されており、ゆっくり見て回れます。もう秋のすっかり気配ですが、静かで落ち着きます。ぜひ、足を延ばしてみてください。
撮影・文:橋本恵市
(国立公園利用企画官)


サロベツ「見つかった!」

季節により少しづつ変化を続ける景色を眺めて歩いていると、水辺にいたバンという鳥と目が合いました。どうやら親のバン、近くに子供も一緒にいたようで慌てて隠れていきました。驚かせてごめんなさい・・・
撮影・文:福井翔太(サロベツアクティブレンジャー)


礼文島 「秋を彩る紫色」

桃岩展望台コースでは、紫の花のリシリブシが見ごろを迎えています。スンッとした美しいリシリブシは…実はトリカブトの仲間で、猛毒を持っています。綺麗な花には、毒があるということですね。リシリブシの他にも秋の花が咲いていて楽しめますので、是非、ご堪能下さい!
撮影・文:津田涼夏(礼文島アクティブレンジャー)


-今回の撮影場所(撮影日)-
【利尻島】南浜湿原
鴛泊港フェリーターミナルから車で30分(2021.8.26)
【礼文島】桃岩展望台コース
香深港フェリーターミナルから車で10分(2021.8.27)
【サロベツ】浜勇知園地
JR稚内駅から車で25分(2021.8.19)

 

「利尻礼文サロベツ国立公園だより」とは
日本最北の国立公園には公園管理を行うスタッフが5名、利尻島・礼
文島・サロベツの各地域で働いています。そんなスタッフが季節ごと
のとっておきを皆様にお届けします。
発行:環境省 稚内自然保護官事務所