2021-08-20 update

「夏の終り」利尻礼文サロベツ国立公園だより 8月 Vol.8

8月も中旬、暦の上では立秋となり、昔から脈々と伝えられているように、次第に季節の移り変わりを感じます。花が終わり、実をつけ始める植物、利尻山の頂にかかる雲も夏から秋の雲へと変化しています。強烈な暑さをもたらした最北の短い夏も、まもなく足早に終わりを迎えようと準備を始めているようです。


利尻島「ポン山からのぞむ雄大な利尻山」

個人的にポン山から望む利尻山が大好きです。初めてポン山に登ったのは4月の初め、まだ道中に雪が残り、スノーシューで苦労しながら登った記憶が良い思い出となっています。夏の間は道もしっかりと整備されていて、森林浴と
ともに、道中に咲く花や、行く先々で迎えてくれる蝶などに誘われて、心地よい散策が楽しめます。これからは秋の美しい利尻の姿を魅せてくれると思います。

撮影・文:黒田芳人
(国立公園管理官)


サロベツ 「実のなる季節」

木道を一周終える頃、上を見上げるとエゾニワトコの実が赤く熟していました。鳥たちには人気の実だと思います。人が食べるには不評のようですがお味の程はいったい・・・?※国立公園内では動植物の採取は禁止されています

撮影・文:福井翔太(サロベツアクティブレンジャー)


礼文島 「拝啓 アサギマダラ様」

出会ったアサギマダラは旅をする蝶であり、海を越えて日本列島を縦断します。礼文で出会ったのはわずか一瞬でした。アサギマダラの旅を応援するかのようにミヤマカラスアゲハやクジャクチョウも舞っていました。
これからも旅の無事を祈っています。

撮影・文:津田涼夏(礼文島アクティブレンジャー)

 

-今回の撮影場所(撮影日)-
【利尻島】ポン山
鴛泊港フェリーターミナルから車で15分(2021.8.6)
※ポン山登山口の北麓野営場駐車場まで車通行が可能です
【礼文島】礼文島内(2021.8.7)
【サロベツ】円山園地(サロベツ湿原センター)
JR豊富駅から車で10分(2021.8.3)


「利尻礼文サロベツ国立公園だより」とは
日本最北の国立公園には公園管理を行うスタッフが5名、利尻島・礼
文島・サロベツの各地域で働いています。そんなスタッフが季節ごと
のとっておきを皆様にお届けします。
発行:環境省 稚内自然保護官事務所